男女格差で「非先進国」日本!
2023年6月21日、シンクタンク、世界経済フォーラム(WEF) は、各国の男女平等度を順位付けした「男女格差(ジェンダー・ギャップ)報告」を発表した。
その中で、日本は調査対象の146カ国中125位だった。
●男女格差で日本は過去最低の順位
前回、2022年7月公表の報告では全体で116位だったが、
今回は、2019年12月公表時の121位を下回り、過去最低の125位となった。
因みに、1.0に近づくほど男女平等を示す日本の総合的な指数は0.647だった。
●日本は、こんなことで良いのだろうか?
男女格差の解消は、日本社会全体にとって重要なことです。
報告では、
①政治、②経済、③教育、④健康
の4分野について、男女参画の平等達成度を指数化し発表している。
日本は
①政治で138位と最低水準に沈み、
②経済でも123位にとどまった。
①政治と②経済の両分野で、
女性の進出が実現していない深刻な状況が、全体順位を押し下げている。
1. 女性の首相が依然誕生していないことや、
2. 閣僚に占める女性の割合の少なさが足を引っ張り、
3. 賃金格差や女性管理職の少なさが指摘された。
一方で、
③教育と④健康の両分野では、ほぼ平等が達成されている。
●先進7カ国(G7)と 東アジアで「最下位」
1. 全体では首位からアイスランド、ノルウェー、フィンランドの北欧諸国が例年通り上位を独占している。
2. 先進7カ国(G7)では、6位のドイツが最上位で、日本は7位のイタリアに大きく引き離されて最下位だった。
3. 東アジア・太平洋地域では、4位の二ュージーランドがトップで、続いてフィリピンが16位につけた。
日本は、105位の韓国、107位の中国にも後れを取って、東アジア・太平洋地域でも最下位だった。
●①政治・②経済で、いまや「非先進国」
①政治分野で日本より下位に位置するのは8カ国のみ。
イランやアフガニスタンなど、イスラム教徒が多く女性の社会進出に消極的な国のほか、21年のクーデターで国軍が実権を握ったミャンマーなどだ。
②経済分野でも、20カ国(G20)で日本より下位なのは133位のトルコ、142位のインドなどと新興国ばかり。
①政治と②経済の両分野での日本の「非先進国」ぶりが際立っている。
●男女格差の主な国の順位
2022年 | 2023年 | 国 名 | |
1位 | 1位 | アイスランド | |
3 | 2 | ノルウェー | |
2 | 3 | フィンランド | |
10 | 6 | ドイツ | G7で首位 |
6 | 12 | ルワンダ | |
19 | 16 | フィリピン | アジアで首位 |
27 | 43 | 米国 | |
94 | 57 | ブラジル | |
99 | 105 | 韓国 | |
102 | 107 | 中国 | |
116 | 125 | 日本 | G7、東アジアで最下位 |
135 | 127 | インド | |
127 | 131 | サウジアラビア | |
146 | 146 | アフガニスタン | 全体で最下位 |
●男女格差の解消
男女格差の解消は、日本社会が成長し世界水準に押し上げていくために必要、かつ重要なことです。
このような男女格差を解消するために、いくつかの対策が必要だと思います。
具体的な対策(案)
1. 女性の社会進出を促進するために、保育の充実や女性の雇用機会の拡大などを行う。
2. 企業に対して、女性の管理職比率を向上させるための目標を設定し、達成状況を評価する。
3. 女性の賃金を男性と同等にするために、同一労働=同一賃金の実現や女性の昇進・昇給の機会を拡大する。
4. 女性の政治参加を促進するために、国、都道府県、市区町村ごとに女性候補者の目標を設定し、達成状況を評価する。
5. 女性に対する暴力や差別をなくすために、啓発活動や法律の整備を行う。
これらのことは本気で行わないと、日本の未来(成長)はあり得ないし、国際的にも取り残されてしまうことになる。
まとめ、
男女格差の解消は、今後の日本社会全体にとって重要なことです。
男女が平等に活躍できる社会(男女共同参画社会)は、経済成長にもつながります。
そのためには、国会や自治体及び企業の意識改革と女性向けの研修・育成プログラムの充実などが必要です。
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