鳥取・岡山の両県知事会議が示す、人口減少問題克服への新たな道

2025年1月29日

　鳥取県と岡山県は、1月27日に鳥取県境港市であった両県知事会議において、人口減少問題の克服に向けて4つの項目で連携強化することで合意したようです。両県が共同で取り組むことで、少子高齢化という日本社会共通の課題解決に大きく貢献することが期待されます。

◎民間企業の積極的な関与

　岡山県の伊原木隆太知事は、結婚や子育てしやすい環境づくりを企業に求めるというユニークなアプローチを取っています。これは、単に行政が施策を打ち出すだけでなく、民間企業の力を借りて、より実効性のある取り組みを進めようとする試みです。

企業が結婚や子育てを支援することで、従業員の定着率向上や生産性の向上につながるというメリットがあります。また、企業が積極的に社会貢献活動に取り組むことで、地域への貢献度も高まり、企業イメージの向上にもつながるでしょう。

◎地方創生への期待と国への働きかけ

　鳥取県の平井伸治知事は、石破茂氏の地方移転に関する発言に触れ、地方創生への期待を表明しました。企業の地方移転を促すためには、税制優遇などのインセンティブが必要不可欠であり、国に対して働きかけていく姿勢を示しています。

企業の地方移転は、地方経済の活性化に大きく貢献すます。特に、地方の中小企業にとっては、大企業との連携や技術移転の機会が増え、新たなビジネスチャンスが広がる可能性があります。

◎文化・芸術を通じた観光振興

　鳥取県立美術館の開館を契機に、両県は文化・芸術を通じた観光振興に力を入れるようです。これは、地域の文化資源を活かして観光客を誘致し、地域経済を活性化させるという戦略です。

文化・芸術は、地域のアイデンティティを形成し、人々の心を豊かにします。また、文化・芸術イベントは、地域住民の交流を促進し、地域社会の活性化にもつながるでしょう。

◎交通ネットワークの整備と利用促進

　中国横断自動車道の岡山・米子線の境港市までの延伸は、両県の交通インフラ整備にとって重要な課題であります。交通ネットワークの整備は、物流の効率化を促進し、地域の産業振興に貢献します。また、観光客のアクセス向上にもつながり、地域の観光振興にも寄与するでしょう。

◎産業振興に向けた取り組み

　両県共同のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」での販売促進やPR活動は、両県の産業振興に不可欠です。水産業なども、地域の重要な産業の一つであり、その取組みは地域経済の安定にも大きく貢献するでしょう。

◎地方創生における連携の重要性

　鳥取県と岡山県が連携して人口減少問題に取り組むことは、他の自治体にとっても大きなインパクトを与える事でしょう。少子高齢化は、日本社会全体が抱える共通の課題であり、それぞれの自治体が単独で解決することは中々難しい問題です。

複数の自治体が連携することで、より広域的な視点から課題解決に取り組むことができ、より効果的な施策を展開することが可能となり得ます。また、連携することで、情報共有やノウハウの共有が促進され、それぞれの自治体の課題解決にきっと役立つはずです。

◎今後の展望

　鳥取県と岡山県の連携は、人口減少問題の克服に向けた新たなモデルとなる可能性を秘めています。両県の取り組みが成功すれば、他の自治体も同様の取り組みを始めることが期待されます。

しかし、人口減少問題は、一朝一夕に解決できるものではありません。長期的な視点で、継続的な取り組みが必要です。両県は、今回の合意を機に、さらなる連携を深め、人口減少問題の克服に向けて邁進していくことが期待されます。

◎まとめ

　鳥取県と岡山県の連携は、地方創生の新たな可能性を示唆しています。

しかし、人口減少問題は、経済的な側面だけでなく、社会的な側面、文化的な側面など、多岐にわたる問題を含んでいます。そのため、今回の4つの項目だけでなく、教育、医療、福祉など、より広範囲な分野での連携が必要となると思います。

両県の取り組みが成功すれば、他の自治体にとっても大きな刺激となり、それぞれの自治体の活性化につながる可能性があると考えます。今後、両県の取り組みがどのように展開していくのか、注目していきたいと思います。

＜語意＞

＠インセンティブとは、

　行動を促すための刺激や動機、励み、誘因を意味する言葉です。
ビジネスシーンでは、企業が従業員の成果に応じて支払う報酬や表彰、人事評価などを指します。
インセンティブには、次のような種類があります。

＠とっとり・おかやま新橋館とは、

　鳥取県と岡山県が共同で東京都港区新橋に設置した「アンテナショップ」です。
両県の良いモノや美味しい食、イベントの開催、観光・移住に関する情報などがあり、岡山県と鳥取県が手をつなぎ、皆さまに心づくしの「ももてなし」をいたします。

Posted by Ka Shiba