老後の資産形成は、WPPの優先順位が重要!

 老後の生活を安心して送るためには、慎重な資産形成が欠かせません。近年注目を集めている"WPP"と呼ばれるアプローチは、大手生命保険会社に勤める谷内陽一氏によって提唱され、長寿社会において重要な三つの要素を組み合わせた戦略を指します。
この戦略は、長く働くこと(Work Longer)、公的年金の活用(Public pensions)、そして個人の貯蓄や投資(Private pensions)をバランスよく組み合わせ、老後の資産形成に対する新たな視点を提供しています。

そして、WPPは老後の生活をまかなうために重要な三つのキーワードの頭文字を取ったものです。

以降では、これらの要素を詳細に検証し、老後の資産形成における優先順位の重要性に焦点を当ててみたいと思います。

老後の資産形成における優先順位

 WPP戦略において最初に注目すべきは、「W」、つまり「Work Longer」、長く働くという要素です。
年金の受給開始年齢が原則65歳とされていますが、70歳まで働くことで年金受給額は4%増額されます。
この増額は老後の生活を安定させる上で非常に重要であり、単に早期に年金を受け取ることよりも、長期間働くことが将来において有益であることを示唆しています。
しかし、一般的な認識では、「老後が不安だから」という理由から、多くの人が早期に貯蓄や投資に焦点を当てがちです。
これは危険な傾向であり、限られた期間での資産形成はリスクが伴います。

 次に、「P」は「Public pensions」、すなわち公的年金です。年金の受給は原則として65歳から始まりますが、60歳から75歳まで繰り上げや繰り下げが可能です。
70歳まで働くことで増額された年金をより長い期間受け取ることができ、これが安定した老後の基盤を築く上で鍵となります。
公的年金は生活の基本を支えるものであり、これを活用することで、他の資産をより効果的に活かすことができます。

 最後の「P」は「Private pensions」、つまり個人が積み立てた貯蓄や投資です。
公的年金だけでは限られた生活しか提供できないため、個人が自らのライフスタイルや趣味に合わせて資産を形成することが重要です。
ただし、これは公的年金や長期の労働と同様に重要な要素ではありますが、それを先行させることで本来の意図が逆転してしまう可能性があります。
したがって、WPP戦略では、まず公的年金を基盤にし、その上で個人の資産を構築することが理想的です。

まとめ

 WPP戦略は、老後の安定した生活を築くための優れた手段であると言えます。
長く働くことで年金を増額し、公的年金を基盤にして個人の資産を形成するというアプローチは、将来の不確実性に対処するために重要です。
賢明な老後の資産形成においては、WPPの優先順位を理解し、自身のライフプランに合わせた柔軟な組み合わせが求められます。
老後に備える際には、今こそWPP戦略を検討し、将来に備えた賢明な選択を行うべきだと思います。

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Posted by Ka Shiba