次世代型路面電車(LRT)交通システムとは?

2023年10月7日

次世代型路面電車・LRT(Light Rail Transit:ライトレールトランジット)とは、車両や駅のみならず、乗降のアクセス性や他交通機関との連続性といったソフト面を含めた概念で、まちづくりと密接に関係した交通システムのことを言います。

LRTは、路面電車の一種ですが、従来の路面電車と比べて、以下の点が大きく改善されています。

  • 車両:低床化により、車いすやベビーカー、荷物を積んだ車両でも乗り降りしやすくなりました。また、車内は広々としており、快適に過ごすことができます。
  • 軌道:道路上や専用軌道で走行しますが、専用軌道の幅や高さが広めに設計されており、安全性と走行性能が向上しています。
  • 電停:ホームと車両の段差が小さくなり、また、電停の位置や間隔が適切に配置されているため、利便性が高まりました。

⭕️LRTのメリット

LRTのメリットは、以下のとおりです。

  • 乗降の容易性

LRTの車両は、従来の路面電車よりも低床化されており、車内とホームの段差がわずか350mm以下となっています。これにより、高齢者や車いす利用者、ベビーカーを押す人など、誰でも乗り降りしやすくなっています。

  • 定時性

LRTは、専用軌道を走行する区間が多く、道路交通の影響を受けにくいため、定時性に優れています。また、信号優先制度の導入や、運行情報のリアルタイム配信などにより、さらなる定時性の向上が図られています。

  • 速達性

LRTは、専用軌道を走行する区間が多いため、道路交通を走行するバスや自動車に比べて、速達性に優れています。また、車両の性能向上により、最高速度は70km/hを超えるものもあります。

  • 快適性

LRTは、走行速度の向上と車両の低床化により、走行時の騒音や振動が低減されています。これにより、乗客の快適性が向上しています。

  • 環境性

LRTは、電気で走行するため、二酸化炭素などの環境負荷が低くなっています。また、道路交通の混雑を緩和することで、環境への貢献が期待できます。

⭕️LRTの導入事例

LRTは、世界各国で導入されています。ヨーロッパでは、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなど、多くの都市でLRTが運行されています。また、アメリカ、オーストラリア、中国などでも、LRTの導入が進んでいます。

日本では、2023年8月に、栃木県宇都宮市と芳賀町を結ぶ「芳賀・宇都宮LRT」が開業しました。これは、国内で75年ぶりの路面電車新規開業となります。そして、日本で初めて導入された富山市でLRTが運行されています。また、京都市、福岡市など、全国各地の自治体でLRTの導入が検討されています。

⭕️LRTの今後

LRTは、道路交通を補完し、人と環境にやさしい公共交通として、今後ますます重要性が増していくと考えられます。今後、日本でも、LRTの導入がさらに進むものと予想されます。

まとめ、

LRTは、従来の路面電車の課題を克服し、さまざまなメリットを備えた、次世代の公共交通システムとして期待されています。今後、日本でもLRTの導入が進むことで、より便利で快適な交通環境の実現が期待されます。

地域活性化

Posted by Ka Shiba