SNS時代のデマと、その危うさ! 思考停止を招く「完成されたパズル」とは?
現代社会において、SNSは情報の拡散に絶大な力を持ち、人々の意見形成に大きな影響を与えています。しかし、その一方で、デマやフェイクニュースが拡散される温床ともなっており、社会に混乱をもたらす危険性も孕んでいます。
SNSの発信者の多くは、論理が飛躍していようが、エビデンス(根拠・証拠・裏付け)が不足していようが気にせず、簡潔で分かりやすいメッセージを発信しがちです。
まるで、完成間近のパズルが手渡されたかのように、結論が提示され、私たちはそのパズルを完成させるための最後のピースを埋めるだけで済むような感じです。
この手軽さは、現代人の忙しい生活スタイルに合致し、思考のショートカットを可能にします。——> (頭を使わなくてよいから楽なのだ。)
膨大な情報を整理し、多角的な視点から分析することは、時間と労力を要する作業です。
しかし、SNS上の情報であれば、手軽にアクセスでき、短時間で結論を得ることが出来てしまいます。
それだけに、この手軽さの裏には、大きな落とし穴が潜んでいます。
それは、情報の真偽を検証せずに、鵜呑みにしてしまうという危険性です。
SNS上の情報は、拡散速度が速く、一度広まったデマは、たとえそれが虚偽であったとしても、訂正が難しく、人々の心に深く根付いてしまう可能性があります。
特に、選挙の際にSNSが利用されるケースでは、この問題が深刻化します。
選挙は、民主主義社会において最も重要なイベントの一つであり、有権者は、候補者の政策や人物像をしっかりと理解した上で投票を行う必要があります。
しかし、SNS上で拡散されるデマは、有権者の判断を誤らせ、選挙の結果に影響を与える可能性があります。
◎なぜ、私たちはデマを信じてしまうのか?
- 手軽さ:
複雑な情報を整理するよりも、完成された物語の方が受け入れやすい。 - 共感:
自分の価値観や感情に合致する情報を選びがち。 - 確認不足:
情報の真偽を検証せずに拡散してしまう。 - 不安:
不確実な状況下では、確固とした情報を求める傾向がある。
◎デマの拡散がもたらす影響
- 社会の分断:
デマは、人々の間に不信感や対立を生み出し、社会の分断を招く。 - 誤った政策決定:
デマに基づいた政策決定が行われる可能性がある。 - 民主主義の危機:
デマは、民主主義の根幹を揺るがす。
◎デマに対抗するために
- 情報源の検証:
情報を発信しているのは誰か、どのような意図を持っているのかを考えよう。 - 複数の情報源から情報を収集:
異なる視点からの情報を比較検討しよう。 - 論理的な思考:
情報の信憑性(しんぴょうせい)を客観的に評価しよう。 - 感情に左右されない:
自分の感情に反する情報であっても、冷静に受け止めよう。 - 拡散する前に一度立ち止まる:
情報の真偽を確認せずに拡散しないようにしよう。
SNSは、便利で楽しいツールですが、同時に、危険な側面も持っています。
私たちは、SNSを利用する際に、その危険性を十分に認識し、情報リテラシーを高める必要があります。
デマに惑わされることなく、自分で考え、判断できる力を養うことが、これからの社会を生きる上で不可欠です。
◎まとめ
SNSは、情報の拡散を加速させ、私たちの生活を豊かにする一方で、デマの拡散という新たな問題をもたらしました。
デマは、私たちの思考を停止させ、社会を混乱に陥れる可能性があります。
私たちは、情報の真偽をしっかりと見極め、批判的な思考力を養うことで、デマに振り回されることなく、より良い社会を築いていく必要があります。
@語意
情報リテラシーとは:情報を適切に収集、評価、利用、発信する能力のこと。
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