「エルニーニョ現象」で、猛暑の次は暖冬になる…?
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。
逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。
エルニーニョ現象が発生すると、赤道太平洋の西部と東部で海面水温の差が大きくなり、その差を埋めるために赤道域の東風が弱まります。
このため、西部に溜まっていた暖かい海水が東方へ広がり、東部では冷たい水の湧き上りが弱まります。
日本では「エルニーニョ現象」になると、冷夏と暖冬になりやすいとされていましたが、今年(2023年)はエルニーニョを打ち消すような、冷夏ではなく異例の猛暑になりました。
しかし今後は、徐々に影響が表れ冬は高温傾向になりそうだということです。
◎エルニーニョ現象が発生する原因
エルニーニョ現象が発生する原因は、完全には解明されていませんが、いくつかの要因が複雑に絡み合って発生すると考えられています。
- 熱帯太平洋の海水温と海面気圧の変化
エルニーニョ現象が発生すると、赤道太平洋の東部で海面水温が低下し、海面気圧が高くなります。
一方、西部では海面水温が上昇し、海面気圧が低くなります。
この海水温と海面気圧の変化が、エルニーニョ現象の発生に重要な役割を果たしていると考えられています。
- 大気中のエルニーニョ・南方振動(ENSO)の活動
エルニーニョ現象は、大気中のエルニーニョ・南方振動(ENSO)の活動によっても発生すると考えられています。
ENSOとは、赤道太平洋の海面水温が上昇しては下降する振動現象です。
ENSOの活動が活発になると、エルニーニョ現象が発生しやすくなります。
- 地球温暖化
地球温暖化も、エルニーニョ現象の発生に影響を与えていると考えられています。
地球温暖化によって、赤道太平洋の海面水温が上昇し、エルニーニョ現象が発生しやすくなると考えられています。
◎エルニーニョ現象が日本に与える影響
エルニーニョ現象が発生すると、日本を含む地球上の様々な地域に異常気象をもたらすといわれています。
○夏季
エルニーニョ現象が発生すると、日本では夏季に冷夏になる傾向があります。
これは、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが弱くなり、気温が低下するためです。また、日照時間も短くなる傾向があります。
○冬季
エルニーニョ現象が発生すると、日本では冬季に暖冬になる傾向があります。
これは、西高東低の気圧配置が弱まり、気温が高くなるためです。また、降雪量も少なくなる傾向があります。
◎その他の影響
エルニーニョ現象は、日本だけでなく、世界中の様々な地域に異常気象をもたらします。
- アメリカ西海岸では、干ばつや山火事が発生する可能性があります。
- 南米では、洪水や土砂崩れが発生する可能性があります。
- オーストラリアでは、干ばつや森林火災が発生する可能性があります。
- アフリカでは、干ばつや洪水が発生する可能性があります。
◎2023年のエルニーニョ現象
気象庁によると、2023年は80%の確率でエルニーニョ現象が発生すると予想されています。
さらに、2023年のエルニーニョ現象は1997年に発生した過去最大のエルニーニョに迫るほどの規模になると予想されており、スーパーエルニーニョの到来ともいわれています。
スーパーエルニーニョが発生した場合、日本では、夏季に記録的な冷夏となる可能性があり、冬季には記録的な暖冬となる可能性があります。
また、日照時間の減少や、降水量の増減など、様々な異常気象が発生する可能性があります。
まとめ
エルニーニョ現象は、日本を含む世界中の様々な地域に影響を与える重大な気象現象です。
エルニーニョ現象が発生する可能性があることを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
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