「水引き」って…なに?
水引は、紙を加工して作られたひもです。
水引の由来は諸説ありますが、飛鳥時代に中国から伝わった麻紐(あさひも)が始まりとされています。
当時の麻紐は、水に濡らして柔らかくしてから結び付けられていました。
そのことから、平安時代には水引と呼ばれるようになったと言われています。
水引は、おもに冠婚葬祭の際に使用されます。
水引の結び方の種類
水引の結び方には、様々な種類があり意味が込められているそうです。
その中でも、代表的な結び方には以下のものがあります。
◉ 蝶結び(花結び)
水引の結び方でよく使われるのが、形が蝶のように見える「蝶結び」で、「花結び」とも言います。
「何度でも結び直せる」ことから、出産や入学、お歳暮(お中元)など「何度繰り返してもよい」お祝いやお礼の際に用いられます。
ただし、結婚のお祝いや病気のお見舞いなど繰り返さない方がよいことには使えません。
◉ 結び切り(真結び)
結び目の先が上になるように結んだものが、「結び切り」で、「真結び」とも言います。
一度結んでしまえば簡単に解けないことから、「固く結ばれ離れない」=「繰り返さない」という意味を持ちます。
そのため、結婚式や出産などのお祝い事や、病気見舞い、葬儀などの弔事に用いられます。
◉あわじ結び
「あわじ結び」は、結び切りの両端が輪になるよう結んだもので、円が重なっていることから八方に幸せが広がるという意味を持ちます。
基本的に結び切りと同じような意味合いですが、結び切りに比べるとより複雑な結び方がされていることから、「末永く続くように」といった意味が込められています。
そのため、特に結婚式のご祝儀や新築祝い、開店祝いなどのお祝い事に用いられます。
水引の色と本数
水引は結び方だけでなく、色と本数にも決まりがあります。
◉慶事に用いられる色=「赤と白」
結婚式や出産などのお祝い事には、赤と白の水引が使われます。
赤は「魔除け」や「繁栄」を意味し、白は「清らかさ」や「純潔」を意味します。
◉弔事に用いられる色=「黒と白」
一方、葬儀などの不祝い事には、黒と白の水引が使われます。
黒は「喪に服す」ことを表し、白は「死者の安らぎ」を願う気持ちを表しています。
◉慶事の場合の本数=「5本」
慶事の基本的な水引の本数は「奇数」で、その中でも「5本」が一般的な水引の本数になっています。
ただし、慶事では、「奇数」の本数を使うのが基本になりますが、結婚式で使う場合だけは10本のようです。
※.(結婚をすることで2組の家族が手を取り合って縁を結ぶことを表しており、水引の本数も指の本数(5本)の2倍である10本になるといわれています。)
◉弔事の場合の本数=「4本」
弔事に適した一般的な水引の本数は「4本」です。
慶事の基本的な水引の本数が「奇数」だったのに対して弔事の本数は、反対の「偶数」になります。
ただし、最近では5本の水引も見受けられます。
※.(水引の本来の基本の本数は5本であることや、陰陽五行説に起源があるといわれています。)
水引は、日本の伝統文化の一つです。
水引の結び方には、それぞれに意味があり、お祝い事や仏事などの際に、その意味を込めて結び付けられています。
奉書紙で包む時の折り返し方
水引を結び付けてある、贈答品を贈るときに包む奉書紙の折り返し方は、慶弔により決まりがあります。
◉慶事の場合の折返し
下側が上に重なる折返しは、慶事(お祝い事など)の折り方で、嬉しいことを受けるという意味合です。
◉弔辞の場合の折返し
下側が下に重なる折返しは、弔事(仏事など)の折り方で、悲しいことが流れる意味合いです。
まとめ、
水引の結び方は、その場面や用途によって使い分けましょう。
例えば、
「蝶結び」は「何度繰り返してもよい」お祝いやお礼に、
「結び切り」は「繰り返さない」お祝いや弔事に、
「あわじ結び」は「末永く続くように」お祝いや祝儀
などに用いられます。
水引を贈る際には、その意味を知って選ぶとよいと思います。
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