山陰とインドの人材交流を、もっと進めよう！

2023年10月26日

山陰とインドの人材交流を一層進めるための可能性が広がっています。山陰の企業経営者と松江市から成る「山陰インド協会」が合同で派遣した「インド経済視察団」が、ニューデリーの在インド日本大使館を訪れ、地方間交流の可能性について鈴木浩大使と協議しました。この交流が成功することで、両地域に多くのメリットがもたらされるでしょう。

この視察団の訪問を通じて、山陰とインドの関係に大きな希望が掲げられました。

鈴木大使は、インドの国際社会における存在感の増大を強調し、インドが急速に成長しているタイミングであることを指摘しました。

特に、日本が東京五輪を開催した1964年のような活気が再び感じられると述べ、そのポテンシャルに期待を寄せました。

◎インドとの人材交流を考える

　日本全体が人口減少に直面している中、この視察団は優秀なインド人材を山陰に呼び込み、地域に定着させるための方法を模索しています。鈴木大使は、日本で働くインド人に向けた教育インフラ整備が、まだ日本国内では追いついていない状況を指摘し、山陰地域が官民連携で国際交流を推進できる先駆的な存在になり得ることを強調しました。この呼びかけに応え、山陰地域がインドとの関係を築くリーダーシップを発揮することが期待されています。

山陰とインドの人材交流が重要である理由は、国内の労働力不足の深刻化に関連しています。山陰地域における企業や機関がインドから優秀な人材を受け入れ、協力することで、この課題に対処できる可能性があります。

◎日本側のインドに関する知識不足

　日本の航空会社であるANAのインド総代表である片桐常弥氏は、講演会において、インド人の語学能力の高さや就職事情を紹介し、日本とインドの人材交流がどれほど有益であるかを説明しました。片桐氏は、技能実習生の送り出し機関と日本企業や監理団体とのマッチング、そしてインド関連のセミナーの実施を通じて、日本とインドの人材交流を促進してきた実績を持つ方です。

　しかし、この交流にはまだ多くの機会があることも指摘されています。日本における外国人技能実習生の受け入れは、主にベトナムやミャンマーなど東南アジアの国々に焦点が当てられており、インドへの取り組みは進んでいません。この状況は、日本側のインドに関する知識不足や、積極的なインドからの送り出し機関の不足が影響している可能性が高いようです。したがって、山陰とインドの人材交流を推進するためには、さらなる情報共有と協力が必要です。

◎インドと日本は「お互いにウィンウインの関係が成り立つ」

　一方、インド側では若年層が就職難に直面しており、日本は逆に少子高齢化による労働力不足が深刻な問題となっています。このため、両国の関係はお互いにとってウィンウィンの関係でもあり、人材交流の拡大が可能であることが強調されています。

◎インド人材は「日本向き」もっと受け入れを！

インド人材が日本向きであるとの指摘もあります。彼らは温厚で誠実、明るい人々が多く、語学スキルも高いです。実際、インドの技能実習生が受け入れられ、高齢者福祉施設の経営改善に貢献した実例が示されています。このようなポジティブな事例からも、山陰とインドの人材交流が互いにとって有益なものであることが証明されています。

山陰とインドの人材交流が進むことで、両地域は相互に利益を享受できるだけでなく、日本全体にとっても新たな可能性が広がります。経済や文化の交流を通じて、新たなビジネスチャンスや国際協力の道が開かれ、地域社会の発展に寄与できるでしょう。

山陰インド協会とインド経済視察団の取り組みは、日本とインドの友好関係を一層深め、地域経済の発展に寄与するものとして期待されています。

具体的な方法として以下の点が考えられます。

教育プログラムの強化:
　山陰地域でのインド人材受け入れを進めるには、教育プログラムの強化が不可欠です。インドの就労者に日本語や業務スキルを教えるトレーニングプログラムを提供し、受け入れる企業との連携を強化することで、双方に適した環境を整えることができます。
ビジネスマッチングの促進:
　インドと山陰の企業を効果的に結びつけるため、ビジネスマッチングプラットフォームを整備しましょう。このプラットフォームは、双方の要件とスキルに基づいて適切なマッチ（仲介）を提供し、新たなビジネス機会を創出します。
文化交流の促進:
　文化交流プログラムを通じて、インドと山陰の住民がお互いの文化を理解し、尊重することができるようになります。これにより、コミュニケーションが円滑になり、労働環境が改善されるでしょう。
ビザプロセスの簡素化:
　インドの就労者が山陰で働く際のビザプロセスを簡素化し、効率的にすることは、受け入れ地域のアピールを高める要因となります。迅速なビザ取得は、資格のある候補者を引き寄せるのに役立ちます。
地元コミュニティの参加:
　山陰の地元コミュニティに積極的に参加してもらい、インドの就労者を受け入れる文化を根付かせましょう。地元住民との交流イベントやプロジェクトを通じて、相互理解を促進し、受け入れ環境を友好的に保つことができます。
就労環境の改善:
　インドの就労者のために適切な住居や健康保険などの福祉施設を提供し、労働条件を改善することが必要です。これにより、インドの就労者は長期間にわたって山陰で働く意欲を高めるでしょう。
経済協力の促進:
　山陰とインドの企業、研究機関、教育機関などが協力し、新たなプロジェクトやイノベーションを推進するための枠組みを構築しましょう。共同研究やテクノロジーの共有など、経済協力を通じて両地域の発展を促進できます。
政府の支援と奨励:
　山陰とインドの人材交流を進めるために、政府からの支援と奨励が必要です。税制優遇措置や助成金などの政策を導入し、この交流をサポートしましょう。