NTT東西が始めた「国際電話の特殊詐欺対策」…手続き簡略化とサービス無償化の狙いとは?

近年、固定電話を狙った「国際電話を悪用した特殊詐欺」が後を絶ちません。
特に高齢者をターゲットにした詐欺が深刻化しており、NTT東日本・西日本(以下、NTT東西)はその対策として、固定電話利用者を守るための新たな取り組みを発表しました。
今回は、その取り組み内容とともに、私の視点からも分かりやすくご紹介します。
1. 新規契約時に「国際電話の注意喚起」と「休止手続き」を案内
NTT東西は、6月下旬から新規で固定電話を契約する際に、国際電話を使った詐欺への注意喚起を行い、もし国際電話を利用する予定がない場合は「国際電話の利用休止」を案内するとしています。
これは非常に重要なステップだと感じます。というのも、一般家庭で国際電話を日常的に使うケースはあまり多くありません。なのに、放っておくとその番号を使って海外経由の詐欺に巻き込まれるリスクがあるわけです。
契約の時点で「国際電話って必要ですか?」と確認してもらえるだけで、かなりの予防効果が期待できます。「使わない」と答えた人にはその場で休止の手続きを案内する流れは、利用者にとっても安心ですし、何より手間がかかりません。
2. 国際電話の休止手続きが簡単に!…「一元受付」で手続きがスムーズ
現在、固定電話で国際電話の利用を休止したい場合、発信の停止はNTTに、着信の停止は別の機関(国際電話不取扱受付センター)に連絡しなければならず、これが利用者にとって非常に煩雑でした。
しかし、今回の取り組みでは、この2つの窓口をNTT東西が一括して引き受けてくれるようになります。つまり、「国際電話を止めたい」という申し出だけで、発信も着信もまとめて処理してくれるわけです。
正直、この変更はもっと早くやってほしかったと思うほど合理的な対応です。特に高齢の方が手続きをする場合、複数の窓口に電話をかけるのは大きな負担です。これが一箇所で済むことで、詐欺対策のハードルが大きく下がるはずです。
3. 通話をAIが監視?…「特殊詐欺対策サービス」が無償で利用可能に!
NTT東西ではすでに、「特殊詐欺対策サービス」という独自の仕組みを提供しています。このサービスでは、自宅に専用アダプタを設置し、通話内容を録音・AIがリアルタイムで解析。詐欺の疑いがある会話を検知した場合には、家族などに自動で通知してくれるというものです。
実際に、「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」などで使われる言い回しはある程度パターンがあるため、AIによる検知との相性が良いとされています。
このような技術を使って、未然に詐欺を防ぐという発想は、まさに現代的な防犯対策ですね。家族と離れて暮らす高齢の親を守る手段としても、非常に心強いと感じます。
4. 数量・期間限定で「サービスの工事費・月額利用料が無料」に!
このAIによる詐欺対策サービス、気になるのはその費用ですが、今回NTT東西はこのサービスの工事費および月額料金を無償化すると発表しました。
【無償化の対象期間】
- 申込受付期間:2025年9月1日~2026年9月30日
- 割引適用期間:2025年9月1日~2027年3月31日
ただし、数量限定・期間限定の施策なので、希望する場合は早めに申し込むのが良さそうです。状況によっては、数量や期間が拡大される可能性もあるとのことなので、今後の動向にも注目ですね。
この無償提供は、導入のハードルを一気に下げる素晴らしい施策です。家庭に1つ設置するだけで、AIが詐欺の芽を監視してくれると思えば、費用対効果は抜群です。
◎まとめ
今回のNTT東西の取り組みは、単なる「注意喚起」にとどまらず、実際にどうすれば詐欺被害を防げるかを考えた“実効性のある対策”だと感じました。
- 契約時点での確認と休止案内で、そもそもリスクを減らす
- 手続きの一本化で、対策の敷居を下げる
- AIを使った実質的な監視で、未然に防ぐ
- さらに、それを期間限定で無償提供
といった一連の流れは、特に高齢者の多い家庭にとっては安心材料になるのではないでしょうか。
詐欺グループは日々巧妙化しており、「うちは大丈夫」と思っていても、いつ誰が狙われるか分かりません。こうしたNTTの取り組みをきっかけに、自宅の電話回線や通信サービスの見直しをしてみるのも良いかもしれませんね。
手間を減らしつつ、安全性を高めるNTTの新施策に期待!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません