ネット通販の「ダークパターン」で被害が相次ぐ
ダークパターンとは、Webサイトやアプリの表記やデザインを利用し、ユーザーにとって不利な決定に誘導する手法です。ユーザーの認知バイアスや心理的弱点を巧みに利用することで、ユーザーが自らの意思で意図しない決定を下すように仕向けるものです。
インターネット通販では、ダークパターンがさまざまな形で使われており、その問題は深刻です。
◎ダークパターンの主な手口
インターネット通販では、以下のようなダークパターンがよく見られます。
- 購入カートに勝手に商品を追加する
ショッピングカートに商品を追加する際に、ユーザーの同意なしに、関連商品や類似商品を追加する手法です。ユーザーは、カートに入っている商品を確認せずに「購入」ボタンをクリックしてしまうため、本来は購入しなかった商品を購入してしまう可能性があります。
- 購入する段階で手数料や送料を追加する
商品の価格を安く見せるために、手数料や送料を購入する段階で追加する手法です。ユーザーは、商品の価格だけをみて購入を決めるため、手数料や送料が追加されたことで、本来は購入しない商品を購入してしまう可能性があります。
- 解約や退会が難しい
解約や退会の手順を複雑にしたり、解約や退会のボタンをわかりにくくしたりする手法です。ユーザーは、解約や退会の手順がわからない、または面倒くさいからと、解約や退会をせずに、不要なサービスや契約を継続してしまう可能性があります。
- 「残りわずか」などの表示で焦りを煽る
商品の在庫が残りわずかであることを表示することで、ユーザーの焦りを煽る手法です。ユーザーは、焦った状態では冷静な判断ができなくなり、本来は購入しなかった商品を購入してしまう可能性があります。
- 「無料」や「お試し」などの表示で誤解を招く
「無料」や「お試し」などの表示で、実際は無料やお試しではないことを誤解させる手法です。ユーザーは、無料やお試しだと思って購入や登録をすると、後から料金が発生したり、解約や退会が難しくなったりして、被害を受ける可能性があります。
ダークパターンは、ユーザーの意思決定を歪め、消費者の利益を損なうものです。
私達は、ダークパターンの存在を知り、対策をすることで、被害を防ぐことができます。
◎ダークパターンへの対処方法
ダークパターンへの対処方法は、以下のとおりです。
- 購入する前に、商品やサービスの内容をよく確認する
商品やサービスの内容をよく確認することで、ダークパターンの存在を疑うことができます。商品の価格や内容、手数料や送料などの条件をしっかりと確認しましょう。
- 購入する段階では、手数料や送料も含めて、総額をしっかりと確認する
購入する段階では、手数料や送料も含めて、総額をしっかりと確認しましょう。商品の価格だけをみて購入を決めると、手数料や送料が追加されたことで、本来は購入しない商品を購入してしまう可能性があります。
- 解約や退会の方法を確認する
解約や退会の方法を確認しておきましょう。解約や退会の手順が複雑だったり、解約や退会のボタンがわかりにくかったりする場合は、ダークパターンの可能性が高いです。
- 「残りわずか」などの表示に惑わされない
「残りわずか」などの表示に惑わされないようにしましょう。商品の在庫が残りわずかであることを表示することで、ユーザーの焦りを煽り、本来は購入しなかった商品を購入させようとする手法です。
- 「無料」や「お試し」などの表示には注意する
「無料」や「お試し」などの表示には注意しましょう。無料やお試しだと思って購入や登録をすると、後から料金が発生したり、解約や退会が難しくなったりして、被害を受ける可能性があります。
また、消費者庁の「特定デジタルプラットフォーム取引法」では、ダークパターンの禁止が盛り込まれています。
ダークパターンの被害を受けた場合は、消費者庁の「消費者ホットライン」などに相談しましょう。
まとめ
ダークパターンは、インターネット通販のユーザーにとって、重大な問題です。
ダークパターンは、ユーザーの意思決定を歪め、消費者の利益を損なうものです。
私達は、ダークパターンの存在を知り、対策をすることで、被害を防ぐことができます。
インターネット通販で買い物をする場合は、上記のような点に注意し、ダークパターンに騙されないようにしたいものです。
<言葉の意>
※ダークパターン とは、
消費者を焦らせたり、惑わせたりして、気付かないうちに最善とはならない不利な決定をするよう仕組んださまざまなウェブやアプリのデザインのこと。 定期購入や解約での事例のほかに、 実際には異なるのに 「残りわずか」 と表示して購入を急がせたり、 何度も広告を出したりするといった手法があります。
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