フレイル予防の取り組みについて
フレイルとは、加齢に伴って心身の活力が低下し、健康障害や要介護状態に陥りやすくなる状態を指します。
フレイルの予防は、高齢者の健康寿命を延ばし、元気で自立した生活を送るために重要です。
フレイルの予防には、主に以下の4つの取り組みがあります。
- 運動
運動は、フレイル予防の最も重要な取り組みであります。運動によって筋力やバランス機能が向上し、転倒や骨折のリスクが低下します。また、心肺機能や認知機能の向上、ストレス解消にも効果があります。
フレイル予防のための運動は、ウォーキングや水泳などの有酸素運動と、筋力トレーニングを組み合わせるのが効果的です。有酸素運動は、1日30分程度を目安に行うことが理想です。筋力トレーニングは、週2〜3回程度、1〜2セット10〜15回程度を目標に行うことが理想です。
- 栄養
栄養バランスの良い食事を摂ることで、筋力や免疫力の維持に役立ちます。特に、たんぱく質は筋肉の材料となるため、1日当たりの摂取量は体重1kgあたり1.2〜1.5gが目安です。また、ビタミンやミネラルもバランスよく摂取することが大切です。
- 社会参加
社会参加をすることで、心身の活力が維持され、フレイルの予防につながります。趣味やボランティア活動など、自分に合った社会参加を見つけることが大切です。
- 口腔ケア
口腔ケアを怠ると、咀嚼(そしゃく)機能の低下や口腔内感染症のリスクが高まります。口腔ケアをしっかり行うことで、口腔内の健康を維持し、栄養の吸収を促すことができるでしょう。
これらの取り組みを、早いうちから継続することが重要です。
40歳代から始めると、フレイルのリスクを約20%低下させることができるという研究結果もあります。
◎具体的な取り組み例
フレイル予防の取り組みは、以下のようなものが挙げられます。
- 自治体が実施する「フレイル予防教室」や「健康づくり講座」に参加する
- 地域のスポーツクラブやサークルに加入する
- 趣味やボランティア活動を始める
- 歯科医院で定期的に口腔ケアを受ける
また、以下のような取り組みも効果的だと思われます。
- 家族や友人と食事をしたり、一緒に運動したりする
- スマートフォンやタブレット端末などのデジタル機器を活用して、健康情報や運動プログラムにアクセスする
フレイル予防は、一人で取り組むよりも、家族や友人、地域の人たちと協力して行うことで、より効果的に行うことができます。
◎今後の展望
フレイル予防は、今後もますます重要になっていくと考えられています。
厚生労働省は、2025年までにフレイル予防の取り組みを推進し、フレイルの予防・改善に取り組む高齢者の割合を50%にすることを目指しているようです。
フレイル予防の取り組みを進めるためには、以下のことが重要です。
- フレイルの予防・改善に関する知識の普及
- フレイル予防のための支援体制の整備
- フレイル予防の取り組みに関する研究開発
これらの取り組みを進めることで、高齢者の健康寿命の延伸と、元気で自立した生活の実現につながることが期待されています。
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