外国人と「交流ない」が8割超?…共生社会の実現に向けた課題と具体的な提案

2024年2月27日

大正大地域構想研究所が実施したアンケート調査によると、17都道府県の59市町村の住民の8割超が「外国人と日常的な交流がない」と回答したそうです。また特に問題なのは、半数以上の人が「外国人の増加を望んでいない」と回答しているのです。

これは、外国人との共生が叫ばれる現代社会において、深刻な課題と言えるでしょう。

今や外国人労働者は、全国的に人手が足りない地域に欠かせない存在になっているのは周知の事実です。外国人労働者受け入れ拡大は、日本の経済成長と社会保障を支える上で不可欠なものになります。

今回、このようなアンケート結果を踏まえ、外国人との共生を実現するための環境整備について、具体的な取り組みを模索したいと思います。

アンケート結果の分析

アンケート結果から、以下の点が読み取れます。

外国人との交流機会が少ない:
 8割超の住民が日常的に外国人と交流していません。

国人に対する不安:
 半数以上の住民が外国人の増加を望んでいません。

情報不足:
 外国人に対する理解不足が、不安や偏見につながっています

これらの課題を克服するためには、外国人との交流機会を増やし、相互理解を深める環境整備が不可欠であります。

外国人との共生を実現するための環境整備

外国人との共生を実現するためには、以下の4つの視点から具体的な取り組みが必要だと思われます。

1) 交流機会の増加

地域イベントへの外国人参加の促進:
 地域のお祭りやイベントに外国人を積極的に招待し、住民との交流機会を増やす。

国際交流イベントの開催:
 国際交流イベントや異文化交流イベントを定期的に開催し、住民と外国人が気軽に交流できる場を提供する。

ボランティア活動の推進:
 外国人向けの日本語教室や生活支援活動など、ボランティア活動への参加を促進し、住民と外国人が協力して活動できる場を作る

2) 相互理解の促進

多文化教育の推進:
 学校教育において、多文化理解教育を積極的に推進し、子どもたちから多様性を尊重する意識を育む

外国人向け日本語教育の充実:
 外国人向け日本語教室の拡充や、オンライン教材の開発など、日本語教育の環境を整備し、外国人の日本語能力向上を支援する。

外国人コミュニティとの連携:
 地域の外国人コミュニティと連携し、住民向けの講演会やワークショップなどを開催し、外国人の文化や習慣に対する理解を深める。

3) 生活環境の整備

行政手続きの多言語化:
 行政手続きの多言語化を進め、外国人もスムーズに行政サービスを利用できる環境を作る。

医療・福祉サービスの多言語化:
 医療機関や福祉施設における多言語対応を推進し、外国人も安心して医療や福祉サービスを利用できる環境を作る

住宅情報の多言語化:
 外国人向け住宅情報サイトの開設や、多言語対応の不動産業者を増やすなど、外国人が住居を見つけやすい環境を作る。

4) 情報発信の強化

外国人に対する正しい情報の提供:
 外国人に関する偏見や誤解を解消するため、正しい情報を積極的に発信する。

共生社会に関する広報活動:
 共生社会の重要性に関する広報活動を行い、住民の理解と協力を求める

外国人コミュニティとの情報共有:
 外国人コミュニティと連携し、外国人向けの情報提供やイベント告知を行う。

まとめ

 外国人との共生は、多様性を尊重し、活力ある社会を築くために不可欠な課題だと思います。
行政、地域住民、そして外国人が協力し、上記のような具体的な取り組みを進めることで、相互理解を深め、共生社会を実現していくことが重要であると思います。

具体的な方法の1つとして、日本語が話せる外国人をスタッフとして選任し、そのスタッフが外国人を支援するシステムを作って見るのはどうでしょうか。

 多言語対応の相談窓口を設置して相談窓口に配置する

 日本語教室を設置して教師として日本語教育を行う

 外国人の就職支援なども支援する仕組みを構築する

 日本人が、外国人スタッフの仕事をバックアップする

また、外国人の暮らしを支援するNPO法人を立ち上げて活動したり、多文化共生の地域づくりの一環として、日本を含めそれぞれの出身国の音楽や踊りのコンサートなどを開いたりするのも1つの方法ではないでしょうか。

これらの取り組みを、まずはやって見ることが有効だと思います。

ここで提案した取り組みは、あくまでも一例であり、地域や状況によって必要な取り組みは異なるでしょう。しかし、これらの取り組みを参考に、それぞれの地域で外国人との共生に向けた具体的な行動を起こしていくことが求められています。そして、今後は必ずや必要になると思われます。

注記)
多言語対応:
 多言語対応といっても、その地方・地域で働いている外国人の出身地の言語に限られるので、言語数はさほど多くないと思います。

地域活性化

Posted by Ka Shiba