1日7時間以上座ると乳がんのリスクが4割高まる?座りすぎのリスクと予防法

2024年1月25日

 京都府立医科大学の小山晃英講師、富田仁美研究員らのチームが2023年12月に発表した研究によると、1日7時間以上座っている女性は、7時間未満の人に比べて乳がんにかかるリスクが4割近く高くなるという。

この研究では、35歳から69歳の女性約3万6千人を9.4年間追跡調査した。その間、乳がんと診断された人は554人に上った。

 研究チームは、1日に座っている時間と乳がんにかかるリスクとの関連を分析したところ、7時間未満の人に比べ、7時間以上の人はリスクが1.36倍だった。

この結果は、日本人を対象とした大規模研究で初めて明らかとなった。

座りすぎと乳がんのリスク

 座りすぎが乳がんのリスクを高める理由は、完全には解明されていません。

長時間座ることで乳がんのリスクが高まる理由について、研究員の小山さんは「筋肉を動かさないことと血流が滞ることで、女性ホルモンを含め全身のホルモンバランスが崩れるためではないか」と述べています。

座りすぎは、肥満、インスリン抵抗性、炎症などのリスクを高めることが知られており、これらの要因が乳がんの発症につながる可能性もあると考えられています。

また、座りすぎは、血液中のエストロゲン濃度を高めると考えられています。エストロゲンは乳がんのリスクを高めるホルモンの一つです。

座りすぎ対策を

 この研究結果を受けて、座りすぎの女性は乳がんリスクを高める可能性があるため、座りすぎ対策をすることが重要だそうです。

具体的には、以下のような対策が有効である。

  • 座っている時間を減らす
  • 立ち仕事や歩行などの活動を増やす
  • こまめにストレッチや軽い運動をする

また、座っている時間が多い人は、肥満やインスリン抵抗性、炎症などのリスクを高める可能性があるため、これらのリスクを減らすための対策も必要です。

まとめ

 私は、この研究結果は、現代人の健康問題を考える上で非常に重要な意味を持つと考えています。

現代社会では、パソコンやスマートフォンの普及により、座っている時間が長くなっています。厚生労働省の調査によると、日本の成人の平均座位時間は1日8時間を超えているそうです。

この研究結果は、座りすぎが健康に悪影響を及ぼす可能性を示すものであり、座りすぎの対策が重要であることを改めて認識させてくれるものだと思います。

 私は、この研究結果をきっかけに、多くの人が座りすぎの対策を意識し、健康的な生活を送るようになることを願っています。

具体的には、以下の点に留意して、座りすぎ対策を心がけてほしいと思います。

  • 1日7時間以上座り続けることは避ける
  • 30分に1回は立ち上がって、体を動かす
  • 通勤や通学、買い物などの際には、なるべく歩く
  • 家事や仕事の合間に、こまめにストレッチや軽い運動をする

座りすぎ対策は、乳がん予防だけでなく、生活習慣病や心臓病などの予防にも効果的だそうです。

ぜひ、この機会に座りすぎ対策を始めて、健康的な生活を送るようにしてみてはいかがだろうか。

健康

Posted by Ka Shiba