交際相手からの暴力が過去最多18.0%、深刻化する現状と支援の必要性
内閣府は、男女間における暴力に関する調査の結果を発表しました。
その調査結果によると、交際相手からの暴力被害を受けた経験者は過去最多の18.0%に達し、深刻な社会問題となっていることが明らかになりました。
この調査は、1999年度以降3年ごとに実施されており、交際相手からの暴力被害については2014年度以降調査対象に加えられています。
調査結果の主なポイントは以下の通りです。
- 交際相手からの暴力被害経験者は18.0%、過去最多を更新
20歳代女性では29.1%、20代男性では9.2%と、特に若い世代で被害が目立ちます。- 被害内容は、
(a)身体的暴力(37.8%)
(b)経済的暴力(27.8%)
(c)精神的暴力(18.2%)
(d)性的暴力(16.5%)など
- 被害内容は、
- 約4割が被害を誰にも相談せず
- 相談先としては、
(a)友人・知人が最も多く(38.1%)
(b)次いで警察(14.2%)
(c)配偶者・家族(12.7%)
(d)相談機関(6.8%)など - 相談しなかった理由としては、
(a)「恥ずかしいと思った」(38.4%)
(b)「解決できると思わなかった」(33.8%)
(c)「誰にも言えなかった」(29.2%)など
- 相談先としては、
- 被害者は様々な問題を抱えている
- 抱える問題
(a)精神的ストレス(87.5%)
(b)身体的症状(62.1%)
(c)経済的困窮(43.2%)
(d)孤立感(38.9%)など
- 抱える問題
被害を受けたことがある人は、うつ病やPTSDを発症するリスクも高くなる傾向にあるようです。
内閣府の担当者は、今回の調査結果を受け、「交際相手からの暴力は決して許されない行為であり、被害者は一人で抱え込まず、支援機関に相談してほしい」と呼びかけています。
また、「相談しやすい環境整備を進める」として、相談窓口の周知徹底や、相談員の研修強化などを進めていく方針です。
①交際相手からの暴力は、心身に深刻な傷跡を残す犯罪です。
②被害者は、恐怖や恥辱から一人で苦しみを抱え込んでしまうことも少なくありません。
しかし、そのような状況を放置することは決して許されません。
③もしあなたが、交際相手からの暴力被害を受けていると感じている場合は、一人で悩まず、すぐに支援機関に相談してください。
④相談窓口では、専門の相談員が話を聞いてくれるだけでなく、必要な支援を受けるためのサポートもしてくれるようです。
以下に、交際相手からの暴力に関する相談窓口をご紹介します。
- DV相談ナビ 全国共通電話: #8008(はれれば)
- 配偶者暴力相談支援センター 電話(24時間): 0120-279-889(つなぐ-はやく)
- 警察 相談ダイヤル: #9110
○まとめ
あなたは一人ではありません。勇気を出して声を上げてください。
私たちは、交際相手からの暴力のない社会を実現するために、共に努力していく必要があります。
<言葉の意>
@うつ病とは、
気分が強く落ち込み憂うつになる、やる気が出ないなどの精神的な症状のほか、眠れない、疲れやすい、体がだるいといった身体的な症状が現れることのある病気で、気分障害の一つです。
@DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、
「ドメスティック・バイオレンス」の用語については、明確な定義はありませんが、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されることが多いようです。
@PTSD(Post Traumatic Stress Disorder : 心的外傷後ストレス障害)とは、
死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。
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