人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られるイグ・ノーベル賞とは?
「イグノーベル賞」という賞を、一度はテレビなどで見たことがある人は多いと思います。一風変わった研究が受賞している、というイメージが強いかもしれません。
人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られるイグ・ノーベル賞の栄養学賞に、東京大の中村裕美特任准教授と明治大の宮下芳明教授が輝きました。
日本人の受賞は17年連続です。2人は、箸やストローに電気を流すと、食べ物の味が変わることを明らかにしました。
「電気を流した食品はどんな味がするのか。」
食卓で使うことを想定し、箸やストローに陽極と陰極を取り付け、チーズを食べたり、スポーツドリンクを飲んだりすると味が変わることを確認したということです。
イグノーベル賞とは、1991年にアメリカの雑誌「Annals of Improbable Research」の編集長であるマーク・エイブラハムズによって創設された、人々を笑わせ、そして考えさせる研究や発明に対して贈られる賞です。
ノーベル賞のパロディーとして始まった賞ですが、近年では世界中から注目を集め、毎年10組の受賞者が選ばれています。
イグノーベル賞は、ノーベル賞と同じく化学、物理学、医学、平和、文学、経済学などの部門があり、毎年9月9日にハーバード大学で授賞式が行われます。
イグノーベル賞の受賞基準は「人々を笑わせ、そして考えさせる」研究であり、ノーベル賞のパロディーとして「ignoble(あさましい、不名誉の)」を冠して名付けられました。
イグノーベル賞の受賞基準は、以下の3つです。
- 人々を笑わせること
- 人々を考えさせること
- 科学の進歩に貢献すること
イグノーベル賞の受賞作品は、ノーベル賞とは一線を画す、ユニークで奇抜なものばかりです。
例えば、2023年の受賞作品には、以下のような研究も選ばれました。
- 化学賞:人間の鼻の穴から出る水滴の研究
- 平和賞:戦争を起こさせないようにする方法の研究
- 物理学賞:人の髪の毛が伸びる速度の研究
- 医学生理学賞:人の足の裏の汗の研究
- 文学賞:詩の暗唱速度の研究
日本の受賞者は、これまでに20人以上います。近年の受賞作品としては、以下のような研究が挙げられます。
- 2020年:物理学賞(佐藤文男氏、福島県立大学):猫が座る場所の研究
- 2021年:平和賞(井上輝久氏、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構):牛乳の泡立ちを良くする研究
- 2022年:経済学賞(中村幸彦氏、日本大学):お酒の空き瓶を再利用した「お酒飲みきれば、お金がもらえる」システムの研究
イグノーベル賞は、科学の面白さや奥深さを、ユーモアたっぷりに伝える賞です。
また、受賞者の中には、ノーベル賞受賞者も少なくありません。イグノーベル賞をきっかけに、科学や研究に興味を持つ人が増えることを願いたいですね。
まとめ、
イグノーベル賞は、科学や研究をより身近なものにしてくれる、ユニークな賞です。
ぜひ一度、イグノーベル賞の授賞式をご覧になってみてはいかがでしょうか。
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