琴姫伝説のある「琴ヶ浜」の鳴き砂とは?

2023年8月17日

日本3大「鳴き砂」

琴ヶ浜(ことがはま)は、島根県の大田市に位置する1.4㎞にわたる砂浜で、乾いた砂の上を歩くと「キュッキュッ」と音が鳴る不思議な場所です。
この珍しい現象は、粒のそろった石英が多く含まれる砂が擦れることによって生じるもので、その美しい景観から「日本3大鳴き砂」に数えられ、国の天然記念物に指定されています。
地元住民たちは伝統を守るため、砂浜の清掃活動を続けています。そして「日本の音風景100選」、「日本の渚100選」にも選ばれています。
また、琴姫伝説により「琴ヶ浜」と呼ばれるようになった由来や、約450年続く琴ヶ浜盆踊りという伝統行事も存在します。
②琴姫伝説」では、琴ヶ浜の魅力とその背後にある歴史的背景を探っていきます。

琴姫伝説

琴ヶ浜は、その特異な鳴き砂現象によって全国的な知名度を持つ場所です。この砂浜が鳴る現象は、擦れる砂に含まれる石英が特殊な音を発することによって引き起こされます。
しかしその一方で、砂浜が汚れていたり湿った状態では音が鳴らないことからも分かるように、この自然の奇跡を楽しむためには地元の住民たちによる清掃活動があればこそです。
彼らの努力によって、今でも美しい鳴き砂を堪能することができるのです。

琴姫伝説は、琴ヶ浜に対するロマンティックな背景を提供しています。伝説によれば、かつて馬路(まじ)に流れ着いた平家の姫が地元の村人たちに助けられた後、お礼として毎日琴を奏でていたと言われています。
しかし、姫が突然亡くなると、砂浜が琴の音のような不思議な音を奏でるようになったと伝えられています。この美しい伝説から姫を「琴姫」とたたえ、この砂浜を「琴ヶ浜」と名付けるようになったのです。

また、琴ヶ浜盆踊りは、この地域に古くから伝わる大切な伝統行事です。
毎年8月13日から15日に行われるこの盆踊りは、市の無形民俗文化財に指定されているほど重要視されています。地域の人々が一堂に集い、伝統の踊りや祭りを楽しむことで、地域の絆を深めています。そして琴ヶ浜の伝統行事として、この盆踊りが大切に守られているのです。

鳴き砂とは

砂を踏むと砂の中から「キユ、キュ、キュ、」と発する音なので「鳴り砂」とか、「鳴き砂」と呼ばれています。鳴き砂は水晶と同じ石英が主成分で、砂全体に対してほぼ65%以上含んでいるものが多いのです。
石英や砂粒がきれいな水や空気のなかで互いに擦れあい表面が磨かれて、きれいな粒のよくそろった砂になります。
このことから鳴り砂は、砂浜海岸の汚染度を図る指標にもなるといわれています。

まとめ:

琴ヶ浜は、その珍しい鳴き砂現象や美しい景観だけでなく、琴姫伝説や伝統行事の琴ヶ浜盆踊りといった豊かな歴史と文化を有する場所です。

そして琴ヶ浜は、自然の不思議と人々の心温まる伝統が融合した素晴らしい場所として、訪れる人々に感動と思い出を残してくれることでしょう。
さあ、琴姫の伝説を思いながら、不思議な砂浜「鳴き砂」をぶらりと歩いてみてはいかがでしょうか。

【注記】
砂浜「鳴き砂」の場所:島根県大田市仁摩町馬路
※但し、雨の日や湿っている時は鳴りません。

学び

Posted by Ka Shiba