日本の所得格差が大きく、根本的な貧困対策が必要になってきた!
厚生労働省は8月22日、所得格差を示すジニ係数の2021年の調査結果を発表しました。
ジニ係数は「0」であれば、所得が完全に公平な社会ということを意味します。
ジニ係数が「1」であれば、すべての富が1人に集中している社会ということになります。
したがって、ジニ係数が「1」に近いほど不公平な社会ということになります。
日本社会が抱えるさまざまな課題は、貧困が大きく関係するようになりました。
- ジニ係数の増加:
21年のジニ係数は、税や社会保障による再分配前の当初所得で0.5700と、前回17年の調査より0.0106ポイント増加し、格差は14年に次いで大きくなっています。
この期間は新型コロナ対策として雇用調整助成金による失業対策が講じられたにも関わらず、高い数字になっています。
ジニ係数が示すように、所得格差が拡大しており、2021年には前回の調査から格差が増加しました。
この指標は、所得の不平等度を示すもので、0に近ければ平等、1に近ければ不平等を表します。増加したジニ係数は、所得の不公平性が高まっていることを示しています。
最近の生活保護申請数も急増しているので、今後、生活保護受給者数は増加していくだろうと思われます。 - 経済回復と個人消費の低迷:
内閣府が8月15日発表した23年4~6月期のGDP(国内総生産) 速報値は、1~3月期に比べて1.5%増だった。年率換算すると、6.0%の大幅な増加だったが、景気が回復しているとは言えないようです。
GDPは増加していますが、その主要な要因は輸出額増加であり、個人消費が不振であることが指摘されています。
賃上げが物価高騰に追いつかず、多くの人々が生活費を節約し、さらに貧困層では基本的な消費項目すら削減せざるを得ない状況にあります。
これは格差が拡大していることを示唆しています。 - 貧困の脱却難しさ:
近年は、いったん貧困に陥ると、貧困からの脱却が難しくなっており、高齢者や障害者、未熟な技能を持つ人々が適切な仕事を見つけることが難しい状況です。
以前であれば、景気が回復すれば、貧困者は減少したのとは対照的です。
経済が回復しても、これらの人々は貧困の影響から抜け出しにくく、貧困の現象が長期化しています。 - 貧困の世代間伝達:
貧困家庭の子どもたちが、健康や学力において不利な状況に置かれ、社会的なハンディキャップを抱えることが指摘されています。
これは貧困の「承継」現象であり、今後の社会的不平等を助長する要因となっています。 - 少子化と結婚の減少:
今年上半期の出生数は、37万人という通年で過去最少を記録するペースであります。
新型コロナによって結婚相手を見つける出会いの機会が減少したためという理由だけでは説明できません。
貧困者の増加が結婚の機会を制約し、少子化を促進していると指摘されています。
これは社会的な問題としても深刻であり、経済的な支援が不十分な人々が家庭を持つことが難しくなっています。
まとめ、
以上の理由から、日本の所得格差の拡大は社会的不平等や経済的な不安定性を増大させ、貧困層の増加や長期的な問題の発生につながっています。
この問題を解決するためには、「ガソリン価格に対する補助金延長」などという、一時しのぎの政策ではなく、根本的な貧困対策や経済・社会政策の見直しが必要です。
それによって、日本社会がより公平で活性化する可能性が高まるのではないでしょうか。
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