長寿の秘密は「幸せホルモン」?

2023年10月7日

ハダカデバネズミが普通のネズミよりも10倍長生きし、がんになりにくいという驚くべき特性が、熊本大学によって新たに発見されました
この発見は、ハダカデバネズミの寿命が30年にも及ぶことから、人間の医療においても重要な手掛かりになる可能性があります。
この記事では、ハダカデバネズミの寿命とがんになりにくいメカニズムについて検討し、特に「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニンの役割に焦点を当ててみたいと思います。

最大の特徴は寿命の長さ

ハダカデバネズミの最大の特徴は、一般的なネズミの寿命が3年に対し、なんと30年もの長い寿命を持つ点です。この長寿の秘密に迫る研究が行われ、がんになりにくい要因が明らかになっています。

熊本大学の研究者は「ハダカデバネズミには、細胞老化が起こることは分かっていましたが、起こった細胞老化がその後どうなるかは分かっていなくて、それが今回の研究で初めて明らかになりました」と語っています。

がんになる要因

一般的に、細胞は紫外線を浴びるなどの影響で「老化細胞」に変化します。それらが長期的に体内に蓄積されると…がんの原因になります。

老化細胞の死滅でがんになりにくい

人や他のネズミは加齢に伴い老化細胞が積み重なり、がんなどの発症を促すとされますが、ハダカデバネズミでは老化細胞が蓄積されずに死滅するため、がんになりにくいとされています。

化学反応で死滅させる成分を生成

この老化細胞の死滅に関連して、研究者たちはハダカデバネズミの細胞内に、予想外の「セロトニン」という成分の存在を見つけたそうです。
セロトニンは「幸せホルモン」と言われ、一般的には神経系の伝達ホルモンとして知られており、人間や他の生物の細胞には含まれないことが通常です。
(注)人間の体内では、生成されないため良質のたんぱく質を食事から摂る必要があります。

なぜ、ハダカデバネズミの細胞にセロトニンが含まれるのかはまだ解明されていませんが、老化ストレスがかかるとセロトニンが化学反応を起こし、老化細胞を死滅させる成分が生成されることがわかってきたそうです。

まとめ:

ハダカデバネズミの長寿とがんになりにくい特性に関する熊本大学の新たな発見は、医療研究において重要な意義を持ちます。
人間の寿命や健康に関わる疾患の予防・治療において、ハダカデバネズミの「幸せホルモン」であるセロトニンの役割を解明することは、革新的な展望をもたらす可能性があります。
しかしながら、ハダカデバネズミの細胞内におけるセロトニンの正確なメカニズムについては依然として謎が多いため、さらなる研究が必要とされています。
今後、研究が進むことで人間の老化防止にも役立つ情報が得られることを期待したいと思います。

<用語>

セロトニンとは、
必須アミノ酸のトリプトファンという物質から合成されます。
ただ体内では生成されないため良質のたんぱく質を食事から摂る必要があります。
トリプトファンが豊富に含まれる食品は大豆・豆製品、乳製品などです。
さらにトリプトファンからセロトニンを合成するときにはビタミンB6が必要となります。
ビタミンB6を豊富に含むのは玄米や小麦胚芽、牛、豚、鶏のレバー、マグロや鰹の赤身などですがたんぱく質を摂るときは植物性のものがベストです。