裏金スキャンダルで見えてくる、自民党の無責任な対応と政治の危機

2024年3月27日

 裏金スキャンダルの発覚以降、国会は混迷の渦中にあります。

この問題は、単なる金銭の流れだけではなく、政治の倫理や透明性への深刻な問題を象徴しています。

まず、自民党内での事後対応が注目されます。政治倫理審査会において、自民党議員たちは、自分に災禍が及ばない弁明に終始し、説明責任を果たしませんでした。

 党は関係者を処分する姿勢を示していますが、その根拠や詳細は明らかにされていません。この点において、党の対応は不透明であり、事実関係の解明や責任追及がなされていないという批判が浮上しています。自民党の対応があまりにも曖昧であり、早期の幕引きを図る姿勢が見え隠れする中で、政治への信頼は大きく揺らいでいます。

 この問題の背景には、自民党内部の問題だけでなく、政治の構造的な課題も影響しています。以前の安倍晋三元首相が築いた「1強体制」は、官僚や財界、メディアを巻き込んでの強力な支配体制でした。その結果、官僚が官邸の顔色をうかがい、財界やメディアもなびいてしまい、挙げ句には「メディアの統制」や「検察人事への介入」などを行おうとした問題にまで発展しました。しかし国民の批判を浴びたことで不発に終りましたが、残念なことにこの事は政府への打撃とはなりませんでした。このような横暴なやり方が罷り通るのは、数の力に依存すれば何をしても平気だという空気が組織内に充満しているのではないでしょうか。

 政治家や政府関係者が数の力に依存し、責任ある行動を取らない状況が生まれたと言っても過言ではありません。かつての政治改革の精神や使命感が薄れ、党内の競争が失われたことも、今回の裏金スキャンダルを理解する上で重要な点です。

 リーダーシップの欠如もこの問題の一端を担っています。かつての小泉純一郎元首相のように、「北朝鮮訪問」や「郵政民営化」など、リスクのあることでも国のために必要と思えば、党内の反対を押し切ってでもやり遂げようとした。その姿勢こそが国民の支持につながったように思います。

 リスクのある改革を国のために成し遂げる覚悟を持つ政治家の姿勢が求められる中で、岸田文雄首相は、言葉だけは強く発するが実態がまるでない。目先の支持率を上げることしか考えていないように映るのは私だけでしょうか。これでは国の将来に向けた積極的な改革や対応は期待できません。

また、裏金国会が日本政治の信頼性や透明性に対する深刻な懸念を引き起こす一方で、岸田政権の対応が国際的な信頼を失墜させる可能性も否定できません。

まとめ

 裏金事件の発覚以上に、事後対応において彼らの無責任さ、開き直りが露呈したダメージは相当に大きいと思います。

このような状況下を払拭して、裏金事件がこれからの日本政治における重大な転換点としなければなりません。