国の人口減少を、いま国民全ての人が危機感を共有しなければ、「明日の日本は無い」段階に来ている!
◎重大な事態とは
日本の人口減少問題に対する提言や懸念について考察すると、まず「重大な事態」として挙げられているのは、労働力と消費者が減少し、国の成長力や産業競争力が低下して経済社会システムが維持不能になる可能性です。これは「果てしない縮小と撤退」と形容され、これには労働力不足や経済の停滞、企業の衰退などが含まれます。次に、高齢化が進むことで社会保障負担が増え、財政が悪化し、地方の「消滅」が進むという懸念も指摘されています。
◎今後取り組むべき目標
このような事態を回避するためには、具体的な目標が必要です。
経済界有志や有識者らでつくる 「人口戦略会議」は、8千万人の水準での安定化を目指すべきだとして、具体策を立案・実行する司令塔組織の設置を政府に求める提言を行なっています。
そして提言では、2100年までに人口8千万人で安定させることが重要視されています。そのためには、合計特殊出生率を現在の1.3前後から60年までに2.07に回復させる必要があるとされています。これは極めて高いハードルであり、「決して不可能ではない」とされつつも、大きな課題が待ち構えています。
また、人口が減少しても成長力のある社会を構築するためには、労働生産性向上のための「人への投資」が不可欠です。一方で、提言は外国人労働者受け入れの総合戦略策定も求めており、人口減少を補うための移民政策は「採るべきではない」としつつも、高度な技能を有する人材は受け入れが必要との見解が示されています。これは、日本の経済社会を維持するためには現実的な布石であり、多様性を受け入れながらも国内の成長を促進するための取り組みが求められています。
◎政府の危機感の不足
一方で、政府の危機感の不足が指摘されています。少子化対策の戦略会議はあるものの、人口戦略にまで広げた司令塔が存在せず、提言に対する積極的な対応が見られないとの批判があります。特に、岸田文雄首相が「戦略会議の提言の深刻な危機感も踏まえつつ、今政府ができることは全てやる」と述べているものの、具体的な取り組みや計画が示されていないことが懸念されています。
◎国民に厳しい未来を示す
そして提言では、人口減少が進むことで労働力不足や経済の停滞、地方の消滅などが起こる可能性が指摘され、これに対処するためには厳しい決断や政策転換が不可欠であるとされています。しかし、首相が「戦略会議の提言の深刻な危機感も踏まえつつ、今政府ができることは全てやる」と述べる中で、国民に対しては現実の厳しさを示すよりも、希望的な言葉を選んでいるようにも受け取れます。
このような状況においては、国民と政府が共に協力して将来の課題に取り組む姿勢が求められます。国民には人口減少がもたらすリスクや課題を正確に理解し、個人・家庭単位での意識改革や支援体制の整備に参加することが求められます。一方で政府は、提言を真摯に受け止め、具体的な施策や計画を進めることで、将来に向けた国の持続可能な発展を担保する必要があります。
◎まとめ
総じて、日本の人口減少問題は将来にわたる経済や社会の在り方に大きな影響を与える重大な課題であり、危機感を持って具体的な施策を講じることが、今の差し迫った課題だと思います。
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