実は夏の「熱中症」よりも、毎年多くの人が亡くなっている大きな問題…その名は「低体温症」!

 北陸地方を襲った能登半島地震。避難生活を余儀なくされた人々にとって、寒さは命を脅かす敵となっています。ニュースでは、低体温症への注意喚起が繰り返されています。しかし、その恐ろしさは、多くの人にとって未知の領域なのです。

熱中症よりも多くの命を奪う冬将軍(低体温症)

 低体温症とは、体の深部体温が35℃以下になる状態を指します。一見、熱中症とは対極にあるように思えますが、実は冬の方が死者数が多いという恐るべき事実があるのです。低体温症は、高齢者だけでなく、乳幼児や基礎疾患を持つ人もリスクを抱えているのです。

低体温症の症状は、震えから意識障害へ

 低体温症の症状は段階的に進行します。最初は体が震え、寒さに耐えようとします。しかし、体温が32℃以下になると意識が朦朧(もうろう)となり、動作が緩慢になります。さらに悪化すれば、昏睡状態に陥り、命を落とすこともあるのです。

冬の生活に潜むリスク、知らず知らずのうちに体温低下

 低体温症は、単に寒い外気に長時間さらされることだけが原因ではない。暖房の効いた室内でも、薄着で過ごしたり、水分不足になったりすることで体温は低下していく。特に高齢者は、体温調節機能が低下しているため、注意が必要だ。

低体温症の予防には、重ね着、水分補給、そして周囲への気配り

 低体温症を予防するには、以下の点が重要となります。

  • 重ね着:衣服を何枚も重ねることで、体温を逃さないようにする。
  • 水分補給:冬でも意識的に水分を補給し、脱水症状を防ぐ。
  • 周囲への気配り:高齢者や乳幼児など、周囲の人たちの様子にも気を配り、異変を感じたら声をかけ、適切な対応を取る。

もし低体温症になったら? 適切な対応で命を守る

 低体温症の疑いがある場合は、速やかに以下の対応を取るようにしましょう。

  • 暖かい場所に移動する:寒さから体を守る。
  • 温かい飲み物を与える:水分補給と体温上昇を促す。
  • 衣服で体を温める:毛布や衣服で体を覆い、熱を逃さないようにする。
  • 医療機関への受診:症状が改善しない場合は、速やかに医療機関を受診する。

冬将軍の静かな殺意に立ち向かう

 低体温症は、知識とちょっとした行動で防ぐことができます。冬将軍の静かな殺意に立ち向かうために、一人一人が予防意識を高め、周囲の人々と協力していくことが重要です。

情報発信と地域連携

 行政による情報発信や、地域における啓蒙活動の強化も必要不可欠だと思います。医療機関との連携体制を構築し、迅速な対応ができる環境を整えることも重要です。

まとめ

 冬は厳しい季節ですが、適切な対策を講じることで、安全に過ごすことができます。低体温症の恐ろしさを正しく理解し、熱中症のように社会全体の理解と対策が進んでほしいと思います。

<参考文献>

  • 帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター 三宅康史教授
  • 厚生労働省「低体温症について」
  • 環境省「冬の健康:低体温症」

健康

Posted by Ka Shiba